映画「隠された日記 母たち、娘たち」

良作。フランス・カナダ合作映画ですが、ものすごくフランス映画っぽいなと思いました。スカっとしたりとかそういう部分は何一つありませんが、非常に濃密な家族関係を描いた映画で、色々考えさせられるものがありました。

わたしは冒頭部分だけでは若干登場人物の関係がつかみきれなく、若干間違えて把握していたのでややこしいなと思いましたが、主要な登場人物は限られるのでそういう意味で難解だということもないでしょう。製作にはカナダが絡んでいるとのことですが、映像としてはまったく出てきません。主人公のように語り部となって物語をすすめていく娘がカナダ在住というくらいです。映像として出てくる舞台はほとんどが2軒の家の内部に絞られています。そのあたりも一家庭内の問題であることを強く表していた気がします。

最後の最後のオチはまさかここまで、というものではありましたが衝撃のシーンを直接描くこともなく、それにより改めてショックを受ける登場人物で表現していました。そのあたりが「フランス映画っぽいな〜」と思わされた部分です。カトリーヌ・ドヌーヴの演技力が遺憾なく発揮されたんではないでしょうか。

それと娘役マリナ・ハンズが若さを失いつつある年代になり、それでいて結婚や仕事などに悩みを抱えていくあたりは非常に現代らしい問題提起だったんではないでしょうか。在フランスであればシングルマザーでもそれなりに育児しながら仕事していけるんでしょうけども。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/101022/tnr1010221616011-n1.htm
http://blog.livedoor.jp/y0780121/archives/50514959.html