映画「はやぶさ 遥かなる帰還」

複数映画化されているはやぶさ映画の東映版。他作と比較はしていないので差はわかりませんが、予告編を見る限りでは一番マシそうだったので見てみました。

並。やはりリアルタイムで実況されていたものを見ていた身としては、再現映画にあのときのあの感動を上回るものは感じられなかった。それでも可能な限り事実に忠実に、変な脚色をつけることなく淡々と描いているところには好感が持てました。ただそのために、当時継続的に新聞やネットなどから情報を得ていた層でなければ、やや説明が不足しているように感じられる部分があるかもしれません。中盤以降はトラブル→対策を議論→なんとか解決というのが繰り返されるため展開的にもやや単調になり、一緒に行った母親はやや眠そうでした。専門用語を使うのであればもっとわかりやすくする必要があるでしょうし、また作品としてももう少し短くまとめた方が良かったように思います。エピソードを詰め込みすぎたのかもしれませんね。

プロジェクトマネージャー役、渡辺謙。髪型からして怪しすぎます。体格とキャラクターが若干合ってない気もしましたが、無難にこなしてはいたと思います。さすがは世界の(ry。

吉岡秀隆NECイオンエンジン担当。JAXA江口洋介と同じ研究者としての立場と、NECという企業の社員である立場に揺れる心情をうまく出していたように思います。

東映60周年記念作品に恥じないとまではいいきれないの気もしますが、はやぶさ管制室などでの登場人物の多さには東映の力の入れ具合を感じました。セリフがほとんどないような登場人物にもどこかでみたことのあるような役者さんが複数いたようにみえました。日本全体が喜びに沸いた、あの一体感を思い出させる演出になっていると思います。