DVD「ファーストフード・ネイション」

並。レンタルDVDでの視聴。

原作本があってそれの映画化らしいですが、ドキュメンタリーにするには対象企業側の都合が当然悪いので製作できず、ドキュメンタリー風のフィクションに仕上げたものということです。

中南米からの不法移民とその労働力を搾取しつつ、支えられる食肉工場。ハンバーガーチェーン店の学生アルバイトと店長、そして本部の役員。このピラミッドがどうやって維持されているのか、そしてそれによって生み出される製品は誰が求めているどんなものなのか。そういったことを問題にしている映画ではあるんですが、とにかく中途半端。

2005年にドイツで製作された「いのちの食べかた」というドキュメンタリーのなかで描かれていた食肉工場と似たような映像でしたが、淡々と映像でみせることによって訴えてきたこの映画と比較して薄っぺらい感じでした。

問題提起をした上で、その結論が「目をつぶってあきらめる」ではなんのための映画なのか。解決策を提示することがもちろんすべてではないでしょうが、あまりにも芸がなさ過ぎる。間にはさまれるエピソードもやや冗長で、不必要なものもあったように思います。フィクションということなんですから、なんらかの改善が行われたという表現がオチとして用意されてもよかったのではないでしょうか。

俳優陣はすごく妙に豪華です。その辺はかなり楽しめるんではないかと思います。

http://movie.maeda-y.com/movie/01055.htm 超映画批評 80点