BD「Angaadi Theru」

やや良。日本人が期待するタミル映画としては相当に地味な部類には入ると思いますが、社会風刺映画としてはよく出来ているでしょう。日本人の知らない現在のインドを見て感じ取るにはいい映画じゃないでしょうか。もちろん映画ですから一応フィクションでしょうけども。

映画の見せ方としてはこの映画にも出ているAnjaliが出演したEngaeyum Eppothumと同じような、オチ一歩手前からスタートし衝撃のシーンから昔に戻って順に時間を追っていくパターン。社会派の映画として基本的な演出法なんですかね?

文化の違いからか理解が及ばないところも多々ありますが、納得できるところも多いです。日本の高度経済成長期に集団就職してきた学生たちにも、ここまで劣悪だったかどうかはわかりませんが、似たような状況はあったのかもしれないな、と思わされる部分もあります。

あとから考えてみると最初のシーンがオチへの伏線となっていたり、なかなかに凝った作りになってるようにも思えました。ただ、最後困難を克服するのが結局は自分たちの力だけであること、更に元々自分たちが働きに出ることになった原因についてはまったく解決できないままなところはちょっとどうかなと思わざるを得ませんでした。その辺のおおざっぱさがまたインド映画っぽいのかもしれませんが。

内容的には渋いものなので、あえてブルーレイでみるほどのことはない気がします。DVDでみられるのなら是非。

チェンナイに行くことがあれば、一度はランガナタン通りにもいってみたいなと思わされました。

http://cauvery-south-cine.at.webry.info/201004/article_1.html 日本語で内容解説