映画「しあわせのパン」

並。わたし個人としては好きな映画には入るが、人によってかなり好き嫌いは分かれそう。どちらかというと女性向きではないかな。たとえていうなら少女のまま大人の女性になった人の、空想を具現化したような映画。冒頭に絵本が使われているように、意図的なものなのでしょうが登場人物が浮き世離れしていて明らかに空想上すぎる。「ふしぎの国のアリス」みたいというか。映画という非現実ですからもちろん悪くはないですが、半端に現実感を持たせているだけに妙な印象が目立ちました。

物語は3つの季節、夏、秋、冬にわかれていて、それがそのまま人間の一生にもなぞらえられています。

夏。森カンナというきれいな女優さんと平岡祐太というイケメンの物語。森カンナさんのすらっとした脚が堪能できた気はしますが、物語としては美男美女の話なのでイラっとしました。割とどうでもいい。夏なので使ってはいませんでしたが、薪ストーブに手を着くシーンがあったのはちょっと気になった。癖になると危ないよ、とw

秋。親子の話。よくわからん。この辺でちょっと眠くなった。パンではなくかぼちゃのポタージュスープがキーになる料理として出てきていたが、理解出来ず。

冬。死にそうな年齢になった夫婦の話。展開がもっさりしていた感はあるがこれが一番よかったかな。

ただ、パンカフェの物語でいくつもパンが出てきてはいたがそのすべてに特別なものが感じられなかった。もっと美しく、映像から匂いを感じられるような撮り方をしてもらいたかった。毎日のことですから淡々と、というのはわからないでもないが、やはり映画を見ている側にとっては映画を見ている時間というのは特別なものだと思うので。

あと、原田知世のかもしだす空気はよく出ていたように思いますが、逆に旦那役の大泉洋の存在感が薄かった。パンを焼いている場面も何度となく出てきますし、それ以外の出番もそれなりにあるのですがどうも印象が薄い。

ナレーションが大橋のぞみちゃんですが、ちゃんとオチがあったのは感心しました。しかしやはり映画でナレーションというのはちょっとね…