映画「さや侍」

普通。本当に普通の映画としてきっちり仕上がっているとは思う。ただ、この映画を見に来る観客が求めているものがこれかというと、それは違うと思うので若干低めに評価しました。全体的には松本人志らしさ、くささは薄く、本当にふつーの映画になっていると思います。

主人公は「働くおっさん人形」で一躍?有名になった素人の野見隆明さん。セリフが極限まで少なく、表情も薄い。それを補う形で周辺の人物が話を誘導していく作りでしたが、それがまた主人公のキャラクター作りに一役買っている形になっていてなかなかうまかったと思います。

娘役の子が主人公の代わりに非常によくしゃべっていました。ものすごくよかった、というほどでは正直ないと思うんですが、主人公がほとんどしゃべらない分を補うのにはよい演出だったと思います。

門番の2人、板尾と柄本明の息子さんが劇中では重要な役割を果たします。物語の流れの中で笑いを取る必要性があったため、板尾の発想なども違和感なく映画に溶け込んでいたのではないでしょうか。装置がちょっと過大なものもありましたが。

托鉢僧が最後の最後、物語を〆てくれます。個人的には意表を突かれたのでかなりよかったです。

http://movie.maeda-y.com/movie/01588.htm 超映画批評60点