映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64(2D)」

やや良。映画1作目、2作目、更には原作すらまったく見たことがない状態での観賞。まっさらな状態で見ても、取り立ててわかりにくく感じるところもなかったように思いました。映画そのものも見ていて楽しい部分も多かったのでその点は評価できます。継続してみている方ならもっと楽しめるのでしょう、きっと。

清貧という考え方が前に流行ったと思いますが、すべての人がそのように生きられるわけではないし、またそうでありたいとも思わないでしょう。高度経済成長まっさかりで右肩上がりであった時代、当然ながら拝金主義な人間もいたはずなのに、この映画ではあまりみあたらないあたり、ちょっと違和感も感じます。まあ吉岡秀隆演じる作家先生は金はないけど、欲はありますが。

世間一般の繁栄、成長とはまた別に地道に、または夢を追って日々を過ごしている下町の人々の姿には色々考えさせられるものもありました。

ただ、この映画にでてくる青年から壮年世代が、現実世界では老害となって若年層を圧迫していることを考えてしまうと、ある種典型的な”あの頃はよかった”映画にも見えてしまいます。

豊かさを知ってしまうと後戻りはなかなか出来るものではないですが、やはり今後は全体が生活水準を下げ、そしてまたそれを受け入れていくしか道はないんでしょうかね。

そんなことを改めて考えさせられた映画でした。

http://movie.maeda-y.com/movie/01634.htm 超映画批評 70点