BD「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

並。よく出来た童話だと思えば十分楽しめます。現実にはない空想であるからこそ考えさせられる物語かと思います。

ブラッド・ピットは、見た目老人中身赤子として生まれ、見た目赤子中身老人として死んでいく、そんな主人公でした。見た目が老人なだけで考え方は当然幼く、また体の中身は若々しい、そんな不条理なキャラクターをよく演じていたように思います。物語が進むとだんだんと最近のブラピになり、更に若返っていって最後には赤ん坊になってしまう。青少年期のブラピがなんとも若々しく、非常にかわいらしかった。

一方のケイト・ブランシェットは主人公と愛し合ったりすれ違ったり、色々しながら普通に老いて死んでいく役。その2人の年齢の取り方、死の迎えかたが対比された映画でした。

人間は生まれて成長しだんだんと幼い部分を克服して社会に適合し大人になりますが、老いて死を迎える時期になると再び子供返りしたりするなど幼稚な部分が出てきたりするということがままあると思います。この映画は内面だけではなく終末期に外見も赤子になると見る側にどういう印象を与えるのか、というところからスタートしたんじゃないでしょうか。

いくつか印象的なシーンがありましたが、中盤まではやや冗長でもう少しエピソードをまとめたりそれぞれのシーンを短くしてもよかったんじゃないかと思います。本編167分というのはちょっと長いかな。

当然ながら特殊メイクなどバリバリだったろうと思いますが、見ていてあまりわかりませんでした。邪推してあら探しするのではなく素直に見ていくのが楽しい見方でしょう。あくまでファンタジー、おとぎ話ですから。