映画「ブラック・スワン」

やや良。映画そのものはよく出来ているし、ナタリー・ポートマンの演技もアカデミー賞受賞にふさわしい演技だったと思います。ただ、スリラーなんで当たり前ですが怖いし痛々しいところが結構多くて何度かドキっとして心臓に悪かった。

登場人物は実質4〜5人と少なめ。そういう意味では主要な筋がわかりにくいようなことはないです。ただ、ナタリー・ポートマンのバレエシーンの技術的な面をカメラワークなどでごまかすためか、1人称視点のようなカメラワークが序盤に目立ちました。そのカメラワークによって主人公視点が強調されて観客が感情移入しやすくはなっていたのかもしれませんが、正直見づらかったし疲れました。中盤以降はそのようなカメラワークはほとんどなく、引きでの撮影が多かったのでシーンの全体像は把握しやすかったです。

大役を任されることによってその重圧に押しつぶされ、徐々に壊れていく主人公の精神状況がよく描かれてました。主人公が台頭したことによって排除されゆくことになった前時代のヒロインが、将来の主人公の姿であることも間違いない事実。トップスターになるのも大変ですが、その重さに耐え地位を保持することがまたいかに難しいかということがよく描かれていたのではないでしょうか。永遠に若いままではいられませんからね。

オルゴールが形は違いますがうちにも同じ曲のものがありました。微妙に懐かしく思いました。まだありますけど最近は聞かないので。

あと麻薬が出てくるシーンがありましたが、ヘロインでしょうね。セリフから推測するに。「<麻薬>のすべて」という本を読んでいたので何となくそんなことを考えました。
http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/51803879.html

http://movie.maeda-y.com/movie/01572.htm 95点