普通。実話ベースで完成度は非常に高い映画だとは思うが、だからといってすべての世界で共通して楽しめる映画にはならない、という典型かもしれない。とにかく地味な映画だと思うし、ボクシングの試合シーンも現実的に作ったというように派手さが薄い。エンターテインメント性を高めるために最後の試合くらいはもっと派手に作ってもよかったんではないかと思います。
パブリック・エネミーズでFBI捜査官役を、更にダークナイトなどでバットマン役を非常に格好良く演じていたクリスチャン・ベールがヤク中の元ランカーボクサーとして素晴らしい演技。アカデミー賞で助演男優賞を獲得するのにふさわしい演技だったと思います。エンディングロールに本人がでてくる映像があったんですが、本当にソックリ。特にしゃべり方のクセがあまりにもよくマネ出来ているので本当に驚きました。
母親役のメリッサ・レオもアカデミー賞の助演女優賞を受賞。家族の絆を大切にするあまりウザい位に干渉してくる役でしたが、非常に印象深かったです。いかにもアメリカにありそうな寂れた街、そしてぐだぐだな感じの低所得な家族がよく描かれていました。
逆に主人公役マーク・ウォールバーグはやや影が薄いです。他の家族が多弁なのと比較して口数が少ないのでなにを考えているのかわからない感じ。実話ベースの映画なのでそのまんまのキャラなんだろうと思いますが、やや中途半端な印象が残りました。
モブ役の5人くらいいる姉妹がまたウザくてよかった。母親のキャラクターを底上げしているような、そんな印象でした。