BD「リトル・ミス・サンシャイン」

普通。各キャラクターの特徴はよく出ているし、物語が破綻しているようなところも少ない良佳作、といった感じです。ただ、最後まで見てもキャラクターやおのおのの関係性は印象に残るが、そもそもの目的を忘れてしまうほどテーマがなんなのかということがものすごくわかりづらい。

アカデミー助演男優賞を受賞したおじいさん役アラン・アーキンがとにかくすごい。汚い言葉連発な上差別的、それでも汚らしい感じのしない演技だったと思います。

伯父役スティーヴ・カレル。とぼけた感じが「ゲット・スマート」で見た感じと似ていて(こっちが後年ですが)笑えました。

あとは兄役ポール・ダノ。非常に偏屈な役柄でしたが佇まいだけで存在感をよく出していたと思います。終盤にブチ切れ、最後にはすべてを吹っ切ってしまうところがまたよかった。

この映画を見てまず思い出したのがジョンベネ殺害事件。日本よりもチャイルドポルノについて厳しく、嫌悪感を持っている人も多いであろうアメリカで、過去にあのような事件があったにもかかわらず、相も変わらず美少女コンテストが開催されているということにある種の驚きを感じました。この映画はそういう社会を批判というか、シニカルに描いているといえるのかもしれません。