駄作。見終わったときに「だからなに?」というのが感想でした。ほめられるポイントはもちろん多数ありますが、だからといって推奨できるような映画からはほど遠い。
舞台は太平洋戦争開戦前、支那事変最中の上海。租界という特殊な空間は維持されつつも存在感を増してくる日本軍、それに対する中国人民ゲリラ、という展開。
米中の合作映画ということで、日本軍は悪の権化として無差別殺戮にあいます。主人公の米国大使館員もばんばん日本人を殺しますし、中国ゲリラのそれにも協力します。そういう一方的な見方の映画だということだけでも見る価値が相当おちます。
更に、メインストーリーがないに等しい内容。舞台の再現度、きらびやかな夜の上海、そして豪華な俳優陣を楽しむことはできます。三合会の親玉チョウ・ユンファも世界のケン・ワタナベも迫力のある演技でした。時代的にはちょっと体格がよすぎるのではないか、など色々疑問もありますが、それよりなによりとにかく内容が…
公式サイトの解説に、
タナカ少佐(日本軍情報部の大佐。海軍、空軍を掌握する。)
とあります。階級が既にずれているし、当時の日本軍には空軍はありません。まあその程度の映画だということではないでしょうか。