映画「キャピタリズム」

先行上映3日目初回でみてきました。事前に前売り券を買っていなかったので正価1800円で久々に見てきました。それでも十分に満足できる映画、興味ある人には是非見てほしいです。

マイケル・ムーア視点からみたアメリカ資本主義の限界、問題点と改善策をエンターテインメントとして見せてくれる映画です。初っぱなから笑いあり、そして涙もあり、怒りももちろんあり、2時間半弱というやや長い上映時間を感じさせない内容でした。

この映画では当然ながら「アメリカの」資本主義と民主主義を描いているために、日本で見ると世界のまた違った一面としてみることもできるでしょう。ただ、既に日本でも現実となっている様々な問題とそっくりそのまま、または似たような側面を見せているものもありました。他山の石とは思えず笑ってばかりはいられない現実です。

アメリカには支持率は低下気味ですがオバマ大統領という希望の星がいます。一方日本の首相はというと偽装献金問題で揺れ、ほかにも様々なブーメラン自爆攻撃をしながらもなぜかテレビ支持率は低下しない鳩山総理。経済の底を探る動きはまだまだこれからという様子もありますし、景気の更なる悪化は避けられないのではないでしょうか。

最近読んだ本でNHKスペシャル取材班・編著の「インドの衝撃」という文庫本があります。それによるとここ数年インドでは高度経済成長時代の日本のような急成長、中産階級の増大が、人口が日本の10倍近いインドのため年間2500万人規模で増大し消費生活も急速どころか爆発的な勢いで増大しているそうです。それに伴い旧来の価値観が変化うんぬんはここではいいのですが、これはつまり世界全体で見た資産の分配状況の勢力図が大幅に変わってきている現実があるということでしょう。

日本でも貧富の差が拡大しているという話もありましたが、今日本で求められているのは貧富の差を少しでも縮小し、貧困層をとにかく減らすこと、そして旧来中間所得層としてそこそこの生活を維持してきていた層の生活水準を下げること。はっきりいってしまえば20年、もしくは30年前の生活水準を戻すということになるのではないかなぁ、なんてことを改めて考えさせられるような映画でした。まじめに働いて生活保護水準以下じゃ誰も納得しないですし、そんな社会構造をどうにかするためにも誰かなにか考えて(^^;

http://getnews.jp/archives/35918
http://www.cinematoday.jp/movie/T0008064