BD「ジャーヘッド」(UK版)

良佳作。絶対見ないと損ということもないですが、見て損はないかな。上映時間は2時間程度なので非常に手軽です。

人間というアナログな部分と現代戦の最新兵器、それの差というかギャップを一兵士の視点からみた様子を描いたものです。アメリカ軍では陸海空軍の他に海兵隊という軍組織があり、それぞれに切磋琢磨している部分もあるんでしょうがまた微妙な格差というか気持ちを抱えているんだろうなぁ、というのを感じさせられるものでした。

日本でもテレビでさんざん放映されていた湾岸戦争でのサウジアラビアが舞台。現在もイラクにはアメリカ軍が駐留し、様々な苦労をしているようですがそれとはまた違った状況での話で、現代の戦争というものの一面を考えさせられます。

兵士帰還後の社会復帰問題などは過去にも語られていたもので、その点はそれほど特筆すべきものではないと思います。ただ、ベトナム戦争などの近代戦と比較すると兵器技術の進歩具合が大幅で、人力との差があまりにも巨大になり人間側の無力感が大きくなっている点が当時との大きな違いで、この映画ではその点が一つの大きなポイントにはなっていると思います。

全般的に淡々とした描き方をしているので、妙な印象づけなどはほとんどありません。その無味乾燥さ加減が戦争映画としては効果的なものなのかもしれません。

http://movie.maeda-y.com/movie/00673.htm