BD「アメリカン・ギャングスター」(UK版)

非常にいい映画。オススメ。ちょっと長いけど最後までみる価値があります。難点は登場人物がわりと多い上に黒人の脇役が多いので、日本人から見ると区別がなかなか難しいところなどでしょうか。

主たる登場人物は2人、黒人マフィアのフランクと汚職を嫌い閑職に追いやられている所轄の警官リッチー。

フランクは黒人でありながら、当時NYの裏社会を牛耳っていたイタリアマフィアを出し抜き頂点に立ちます。自身は質実に生きながらも自らの信じる義のために世間では悪とされることもためらいなく行い突き進みます。演じるデンゼル・ワシントンがまたいいです。
一方取り締まる側のリッチーも私生活はだらしないながらも自分自身なりの義、馬鹿正直なまでの正義感で不正資金を摘発し、一方で署内の警察官からは疎まれます。

そんな二人がどうなるのか、というようなストーリーです。

人によって色々な見方がありそうな映画だと思いますが、わたしは「お金」がテーマだと思いました。現金っていうか資産というか財産ですね。2人は全く違う人生を歩んでいますが、考えにぶれがないという点では共通しています。2人の周りにいる人物はほとんどが麻薬密輸、売買に伴うお金に目が眩んで方向性を失ったり、過ちを犯したり色々と問題を起こします。麻薬密輸の方法については他の映画でも描かれている有名なものですが、これが元ネタだったんですね。実話にほぼ基づいているだけに説得力があります。

2人の違いは家庭内の状況と子の有無。そこがポイントかなと思いました。色々考えさせられる映画です。