映画「僕と妻の1778の物語」

やや良。ヒアアフターに続いてみたんですが、似たところのある映画。コメディ要素もありますが、イマイチ感の漂うところも散見されました。ただ、もっとダメだろうと思って見にいったわりにはよかったです。

主演は草磲剛。いつも通りというかなかなかにぶっ飛んだ性格のキャラで、最初はこのキャラでちゃんと話が成立するのかと心配しましたが杞憂でした。ブリキのロボットが好き、原稿を万年筆で原稿用紙に書いている、また古い日本家屋に住んでいるという設定など、時代背景がはっきりしないあいまいな感じでしたが、映画全体がファンタジックな感じにあふれているのでそれもまたよかったかなと思います。ガン闘病という現実的な部分をぼかす意味でも効果的だったんではないでしょうか。ガンと闘っていくことがテーマなのではなく、その上で病人である妻のために主人公がなにをしてあげられて、そしてその結果得られたもの、失ったものはなんだったのかということがテーマだったのではないでしょうか。

CGもテレビドラマよりは質がよいかなと思いましたが毛が生えた程度。それも最後にいたって悪い印象は残りませんでした。主人公の夢見がちな雰囲気はよく出せていたんではないかな。

奥さん役が竹内結子。ガンに冒されて日々弱っていく様子はよく感じられましたが、やはり抗がん剤を使っているのに髪にまったく変化がなかったのには違和感を感じました。最後に死んでしまうんですが、その時点でもまだまだふくよかな感じでそこは残念でした。演技そのものは良かったと思うんですが…

エンディングの前に「眉村卓夫妻に捧ぐ」というのが出てきていたのですが、この映画はSF作家である氏が日々自作のショート・ショートを捧げたという実話をベースにしたものだそうです。ただ、Wikipediaによると実際には60代の話だったのではないかと思います。劇中の夫婦は30代ですからだいぶ雰囲気は違うと思いますが、それでもこれがほぼ実話とはものすごい話です。