BD「Vフォー・ヴェンデッタ」(米国盤)

アメリカ、イギリス、ドイツの合作映画ですが、舞台であるイギリス色の濃い、ブラックユーモアにもとんだ映画になっていると思います。

近未来の独裁政権に恐怖によって統制された国家を描いていますが、ともすれば今の日本にも当てはまること。政府側に都合のいいようにねつ造、統制されたマスメディアの流す情報を視聴者が信じていない様子や、国民が権力者側の暴力、恐怖によって支配されている構図などは似た状況が実在するだけになんともいえない気持ちにさせられます。支配者側が被支配者を恐怖と暴力で統制しようとして、それが行き過ぎて殺害することになることもままありますが、国民のいない国家に存在価値はなく、軍も矛先を治める図が印象的でした。

最後まで主人公が仮面を外して素顔をさらすことなく終わっている部分も印象的。ヒーローの顔を仮面にすることで唯一ヒーローのみがすべてを行えるわけではない、ということがいいたかったんでしょうか。また、最後に状況を打破するのが大多数の国民の手である、というところが理想的すぎるかも知れないけれどもまた現実なのかな。きっかけを作るのはやっぱりヒーローでしたが。

原作がマンガなだけに絵的に映画的ではなくマンガっぽすぎるところも実写映画としてはあるかな、と思う部分もありましたが楽しめました。

ワーナーものなので日本版も安売りしてるでしょう。